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流水式紫外線殺菌装置
流水紫外線殺菌装置は反応槽内に入ってきた原水に紫外線を照射する事により水中に浮遊する菌・ウイルスを死滅させます。薬剤処理と違い残留性がないため、非常にクリーンで合理的な水の殺菌処理方法となります。253.7nmを主波長とする紫外線殺菌装置、184.9nmに酸素を加えオゾンを生成する紫外線オゾン併用水処理装置があります。
紫外線による殺菌原理
低圧水銀ランプの出力する主なエネルギーは短波長の184.9nm(オゾン生成線)と253.7nm(殺菌線)です。紫外線の殺菌作用は、紫外線エネルギーが細菌などの細胞核内の核酸(DNA:細胞分 裂遺伝子)に直接損傷を与えることで生じます。
紫外線のDNA損傷感度は250~260nmとされており、この特性を利用し253.7nmを主波長とした光源を用いることで細菌やカビ、ウイルス等の微生物全般に対して高い殺菌浄化効果を発揮することができます。
紫外線の透過率
処理水に濁度、着色成分が含まれている場合、紫外線の透過性が低く、殺菌浄化効果が著しく低下することがあります。UVによる水の殺菌を行う際は処理水の透過度を事前に確認する必要があります。透過率が不明の場合、弊社にて測定し、処理水の紫外線透過率に応じた装置選定をいたします。
ランプ寿命
紫外線出力は、使用時間に応じて徐々に低下していきます。殺菌・浄化効果を維持するには一定時間での交換が必要です。 約8,000時間を目安に交換を推奨しており標準タイプ以外に長寿タイプもご用意しております。
ランプの使用温度
紫外線ランプの出力は、周囲温度によって影響を受けます。 推奨使用温度域は、10~50°Cです。
紫外線の照射線量
殺菌に必要なエネルギーは紫外線照射強度(μW/cm2)と照射時間(秒)との積算光量(μJ/cm2)で表され、殺菌装置を通過させることで細菌類を死滅させます。また、菌種によって必要な紫外線量は異なります。
細菌 | 紫外線量(μJ/cm²) |
---|---|
大腸菌 | 3,500~7,300 |
黄色ブドウ球菌 | 6,500~9,300 |
枯草菌芽胞 | 22,000~61,000 |
クリプトスポリジウム | 22,000~30,000 |
藻類 | 22,000 |
細菌 | 紫外線量(μJ/cm²) | 紫外線量(μJ/cm²) |
---|---|---|
Pen roqueforti | 緑色胞子 (チーズ類) |
26,200~264,000 |
Pen expansum | オリーブ色胞子 (リンゴ・果物) |
22,200 |
Pen digitatum | オリーブ色胞子 (みかん) |
88,200 |
Pen digitatum | インフルエンザ (90%殺菌) |
3,400 |
Algae | 藻類 | 22,000 |